脳の「大脳辺縁系」には、見た目がタツノオトシゴそっくりの組織があり、海馬(かいば)と呼ばれます。
このタツノオトシゴ君の働きは実に重要で、「記憶の司令塔」と表現されます。
日常生活や勉強を通して得られた全ての情報(新しい記憶)は、一度海馬の中に収容され、分類の上整理整頓され、項目別に大脳皮質の特定の部分に送られ、古い記憶として貯められるのです。なるほど、司令塔ですね。
ですから、海馬の働きが悪くなると、新しいことを覚え難くなる、覚えたことを取り出せない(記憶を脳のどこに仕舞ったか分からないから)、記憶が無秩序・不合理になるなどの症状が出てしまいます。
昔のことは覚えていても、新しいことはすぐに忘れてしまう、どこかの誰かさんは脳の中のタツノオトシゴ君がストライキを起こしているのかもしれませんね。
しかも、海馬はとてもデリケートな組織で、脳の虚血やアルコール中毒、アルツハイマーなどで最初に障害を受ける場所だそうです。
自慢のようでナンですが、私のタツノオトシゴ君は健在です。
皆様のお顔は1回の来院でまず間違いなく覚えます。
そして、一度覚えたお顔はお名前、ワンコ、ニャンコの病歴とセットで自然に頭に入り、10年経とうと忘れることはありません。
よく、スタッフなどから「どうやって覚えるのですか?」と訊かれますが、自然と何の苦労もなく覚えてしまうのです。
私はそれが普通だと思っていましたので、なかなか覚えられないスタッフに、「大切な患者さんのお顔くらいちゃんと覚えなくてはだめでしょ!!!」ときついことを言ってしまいます。
それはさておき、当院はいぶき野から引っ越してきて、早いものでもう7年半になりました。
当時、フェンス一枚のお隣にはKさんご一家がお住まいで、我が家のコーギー、こーちゃんをとても可愛がって下さいました。
特に、お役所を退官されていたご主人は雨の日も風の日も毎夕お散歩をしてくれて、こーちゃんもご主人にとても懐いていました。
いぶき野とここは、ほんの数百メートルの距離ですが、ご主人とお会いする機会が久しく途絶えていました。
でも、先日、突然お出でになり、「ホーッ、こーちゃん」と独特の懐かしい声をかけて下さったのです。
その時のこーちゃんの様子と言ったら、何度もジャンプして、身を揉んで、体を擦り付け、歓喜の声で大歓迎していました。
こーちゃんのタツノオトシゴ君もどうやら大丈夫、健在ですね。
ツバメは毎年何千キロ離れた南の島から日本に戻ってきて、去年と同じ家の同じ軒下に営巣しますが、ツバメの小さな脳にはどんなタツノオトシゴが住んでいるのかな?不思議です。
一方、私のダンナのタツノオトシゴは鮮度が落ちはじめている様子で、今朝も、自分の眼鏡が見当たらないと大騒ぎしていました。専属獣医になって半年過ぎたのにフードや薬剤等の置き場所、値段もさっぱり覚えられません。
反面、大変稀な内分泌疾患(アジソン病)の発症メカニズムやその病気に対して使われる薬剤など、こと細かく記憶しているのには驚かされます。人それぞれと言うことでしょうか?
脳の働き、「記憶」に限らず、「思考」、「感情」、「感性」、「価値観」など人それぞれなのは当たり前。それが個性ですよね。
当院は常勤スタッフ4人のささやかなペットクリニックですが、4つの「個性」を見極め、うまく組み合わせて、補い合う工夫をすることが私の役割であり、皆様へのサービス向上に繋がると考えています(冷静な時だけですけどね)。
みなみ台を彩ってくれる植物は数々ありますが、おかしな名前が付けられている代表格に「ヘクソカズラ」と「ママコノシリヌグイ」それに「スベリヒユ」があります。
日本標準和名と言う、公的に認められた、人間に当てはめれば戸籍に相当する名前なのに気の毒です。
北京オリンピックに敬意を表して、おかしな名前にメダルを贈りましょう。
金メダルはヘクソカズラ。
アカネ科のつる性植物で、夏の盛りに釣鐘状の小さな可愛い花をたくさん咲かせて、お散歩途中の目を楽しませてくれます。
花や葉を千切って手に取ると、青臭い特有の匂いがしますので「ヘクソカズラ(屁糞葛)」。
オナラにウンチ、酷すぎませんか?
名前のせいか、可愛い花の割に歌に詠まれる機会も少なく、万葉集にもただ一首、高 宮王(たかみやのおおきみ)の和歌、
「さいかちに 延ひおほとれる糞蔓 絶ゆることなく宮仕へせむ 」
が収載されているだけだそうです。
この歌の意味は「サイカチの木に、からみついているヘクソカズラのように、いつでも貴方にお仕えしましょう」と言う、上司にへつらうサラリーマンの様な、ロマンを感じさせてくれないものです。
どうやら、万葉の時代には「糞蔓」。時代が下って、まだ足りないと「屁糞蔓」。
銀メダルはママコノシリヌグイ。
ソバと同じ、タデ科の植物です。
ソバの花に似た形の、ピンクのとても可憐な花を咲かせてくれています。
ママコノシリヌグイの意は「継子の尻拭い」。
鋭く固い棘が
みなみ台に残る雑木林の下草のように生えていて、
式な生物の正式の名前は「学名」であり、三名法と呼ばれる属、種、なみなみ台には栗の木畑が結構沢山あります。
開発に際し、旧地主さんが公団に供出した土地の持分相当を宅地造成完了後に仮換地として、返還された訳ですが、
それも、きれいにひな壇状に造成された、どう見ても宅地に数本の栗の木が植えられていて、玄海田公園がこの3月から一部利用可能になるそうですね。
みなみ台には既に大小合わせて5つもの、それぞれに個性的な公園がありますが、住宅の新築・人口の急増のために、休日などはどこも小さなお子さん連れのファミリーで賑わって(過密状態)います。
ですから、玄海田公園のオープンはとても待ち遠しいです。
敷地は東京ドームなんと13個分もあり、その半分は雑木林のまま残され、雑木林から湧き出る水が溜まって出来た池やそこから流れ出るせせらぎに沿っては遊歩道が整備されますのでお散歩に絶好です。
池やせせらぎでは蛍の養殖が計画されているとのことです。夏の夕べのお楽しみ。
残りの半分は開放感あふれる広々した芝生の原っぱで、子供が自由に走り回れる自由広場です。
こんなに素敵な公園が住宅街の真っ只中にあるのですから、私たちは恵まれています。
公園は次代を担う子供たち・若者のためにあるのはもちろん、これまでの日本社会を築き守ってこられたお年寄りが心地よく過ごせる場所でもあるべきだと思います。
その意味で、高齢者の使い勝手を考慮し、通路の段差を最小限に留める設計、ゆったりと時間を過ごせるベンチが適度に配置されると言う方針も良いですね。
横浜市の公園管理や企画を担当した方に拍手を送りたいです。
ところで、現在の日本の都市部では約9割のワンコがお家の中で飼育されていますので、運動不足やそれに伴うストレスの問題は軽視できません。
チワワ君やポメちゃんクラスの超小型犬であれば、日常のお散歩で十分な運動カロリーが消費されますが、中・大型犬や、たとえ体は小さくとも祖先が狩猟犬であるプードルさんやダックス君、スパニエル種、祖先が使役犬(牧羊犬など)であるコーギーやシェルティー、テリア種など、多くのワンコは毎日、相当な運動カロリーを消費しないと、身体的にも精神的にも影響を受け、無駄吠え、攻撃性などの問題行動に繋がることがはっきりしています。
獣医としてはその観点から、広大な玄海田公園をペットも人も受け入れてくれる場所に出来たらどんなにか素晴らしいことだと思うのです。
イギリスやアメリカなど、いわゆるペット先進国では公園をワンコ連れでお散歩する市民の姿は当たり前の光景ですし、多くのワンコはリードを放して、自由に歩いていますよね。
また、日本でも都内の(公立の)公園にはドッグランが併設されるところが増えています。
公園に無秩序にワンコを入れることには、排泄物の問題、吠え声の問題、ワンコ同士の喧嘩、人、特に子供への噛み付き事故などの心配が付きまとい、無条件に良いこととはいえませんが、公園の一部をワンコ連れに開放することは可能だと思うのです。
ひとつのあり方が、公園用地の一部をフェンスで囲い、ドッグランスペースを確保することだと思います。でも、市が募集した玄海田公園の利用についての市民の意見(パブリックコメント)にはペット関係の要望は無く、ドッグランは計画されていません。
今回3月の供用開始は、一部分の、あくまでも仮オープンです。
今後、平成21年までに徐々に公園全体の整備を進めていくスケジュールですので、何とか実現の方向で働きかけたいと思います。
横浜市議の○○先生、そこんとこ、よろしくご理解のほど。選挙シッカリ応援しますからね。
排泄物の処理や無駄吠え、咬みつき事故防止など、マナー向上につとめ、ワンコを飼わない人たちの理解を増やしていく地道な努力も大切だと思います。
みなみ台を開発するに際し、住宅都市整備公団は多くの地主さん方に先祖伝来の大切な土地を供出してもらったそうです。
その頃のこのあたりは、わずかな人家と畑が散在している以外、丘陵あり、谷あり、小川あり、沼ありの、正に「原野」でした。
地主さん方が供出された土地は、公団が直接購入するか、開発終了後、供出した土地の面積に応じて(一定割合を減賦した上で)いわゆる換地として旧地主さん返却するか、いずれかの選択肢があったそうです。
返却を選択された地主さん方は、その土地を自宅や店舗や集合住宅の用地としてなど、様々に利用されていますが、「農地」として登記している方も少なからずおられます。
例えば、玄海田公園北側に隣接する区画。
宅地風にひな壇に造成されていますが、そこでは四季を通じ丹精された野菜類が実に多種類栽培されていて、「生産農地」であるのはもちろん、環境緑地としての機能やさらに、都会の子供たちが自然に触れる数少ない機会を与えてくれていて、生物の教材・情緒面の発育でも役に立っていて、近隣住民に感謝されています。
その畑では今、落花生が黄色い花の時期を終え、子房つきの花柄を地中に落とし込んでいて、ピーナッツの殻が出来始めているのが、とても興味深く観察できます。
この様子を見て、私は「落花生」の語源を初めて知りました。
「農地」として登記するメリットの一つに、固定資産税が「宅地」と比べ格安な事もあるそうですね。
とりあえず、固定資産税の安い農地登記を行い、いつか時期を見て宅地・商業地に変更する高等戦術。
でも、農地として登記した以上、農作物を作らないと「課税逃れ」と判定され、宅地と同じ税率を課されますので、地主さんはそれらしい作物を植え付け、『ここは畑だよ』と主張しています。
ほったらかしに耐え、なおかつ一応農作物と認められるものに「栗」があるそうです。
かくして、みなみ台には手入れのよくない栗の木畑があちこちに点在する事となりました。
これらの栗は植えられてからもう6-7年。
雑草が生い茂る、栗の木畑には肥料不足のためか生育不良で人間の背丈を越せない栗の木が、それでも一生懸命生きていて、緑から黄金色に色変わりしつつある栗の実(イガ)をたわわに実らせています。
そこには、開発のために森を追われたカブトムシ、クワガタ、カミキリなど色々な甲虫類が命を紡ぐ場として集まってきています。
地主さんにとって、栗の実を収穫することは二の次、三の次。節税が主目的。
ですので、収穫されずに落果した栗の実はクリミガなどブナ科の植物の種子を食べ物とする昆虫類を養い、それを食べ物とする小鳥たちを養ってくれています。
栗の木程ではありませんが、柿も栽培が容易な植物。
栗同様、みなみ台にはびこっています。
土地が地主さんに返却されてからまだ日が浅いので、柿の実を付けるには至っていませんが、やはりツクツクホウシ、ヒグラシなど柿の樹液を好む昆虫の揺りかごの役目を果たしています。
もう2、3年もすれば糖分たっぷりの実を付けてヒヨドリ、メジロなどに、冬季の貴重な栄養を補給する役割を担ってくれるはず。
あと、桃があれば「桃栗3年柿8年」の完成です。
ですが、病虫害に弱く手入れが大変な桃の栽培は地主さんから敬遠されている様子で、桃畑はありません。
それで、みなみ台では「栗栗3年柿8年」。チャンチャン。
動物病院を営んでいる者にとって、永遠のテーマは「自分の病院をどう位置づけ、どの様な形で動物たちの医療に貢献することを目指すか」にあると思います。
飼い主さんの立場に立てば、
・家の近くにあり
・腕が良くて
・動物の扱いが丁寧で
・昼夜を問わず
・どんな病気でも、どんな怪我でも、的確に対応する動物病院・ホームドクターが理想ですよね。
さらに、
・診療の価格が安く
・医療スタッフの対応が親切で
・十分な時間を取って、分かり易い説明と質問の機会が持たれ
・病院内が清潔・快適で
・飼育・しつけなど関連することにも気軽に相談に応じられるならば、
なお結構なことだとお思いになるでしょう。
さらに、さらに言えば、飼い主さんの事情・価値観・生命観などに基づく様々な「希望」を理解し、尊重する態度(獣医側の価値観を過剰に押し付けない、適度な距離感・バランス感覚)のホームドクターが好ましいでしょう。
獣医師・院長の心がけ次第で、実現可能なことも沢山あり、殆どの獣医師は、飼い主さんのご要望に添えるような病院を作り上げることを目指します。
しかし、精神論だけでは「理想の動物病院」作りは100%無理。
個人の動物病院では、自分自身を含む医療スタッフのトレーニング、備えられる医療器具などに制約がありますので、動物たちに提供できる医療には自ずと限界があります。
また、診療の価格と設備・機器、スタッフ数などサービス(つまり診療の質)には反比例の関係があり、充実した高度な診療を提供しようと思えば思うほど、経費がうなぎ昇りに上昇し、皆様から頂く治療費は高く設定せざるを得ない悩みがあります。
同様に、高度な(高価な)設備を償却するには、相応の患者数が必要なわけで、そうなると1件あたりに使える診察時間を短縮するか(そんなこと私には出来ません)、獣医師・スタッフの数を増やして対応するかと言う選択が生じます。
私は、皆様や動物たちとのコミュニケーションを何よりも大切にしたいと思いますので、私が直接対応できる範囲、眼が届く範囲を超えてまで、患者さんの数を増やしたいとも思いません。
要するに、「あれもこれも(診断機器も手術器具も)自前で備えたい。あんな病気の治療もこんな手術もやり遂げたい。皆さんや動物たちの満足される笑顔を見たい。」と言う獣医師としての欲求・理想と、「ホームドクターとしての守備範囲の線引き」の狭間で日々悩んでいるのが現状です。
人医の世界では
・医院・診療所(ホームドクター、かかりつけ、在宅診療)
・救急病院・総合病院
・大学病院など高度医療施設
・リハビリテーションなど慢性期の療養型施設
が役割分担を明確に、適切な医療を受けられる仕組みがありますよね。
獣医界でも、米国では人間の医療に近い体制が整えられていて、開業獣医はいわゆるプライマリーケアに徹して、ワクチンの接種、フィラリア予防薬の処方、比較的軽度な疾患の診療に対象を絞り、複雑、重度な疾患は「総合動物病院」に紹介するそうです。
現在の日本では、その様な「総合動物病院」の絶対数は不足していますが、獣医大学付属病院など高度医療施設の数が徐々に増えています。
飼い主さんの視点に立った、良いホームドクターであるには、自ら研鑽を重ねて知識・技能を高め、完結できる範囲を広げつつ、大学病院・専門病院との連携を円滑に行える体制を作ることも不可欠になってきています。
これにより、「必要以上の設備投資を抑制し、診療コストを適正に保つ」と言う副次的効果が生じることも無視できません。
今流の言い方をすれば「外部リソースの活用」でしょう。
基本的には、「紹介」と言う形式で、大学病院などと連携するわけですが、ペットさんの病状、飼い主さんのご希望を、正確に大学サイドに伝えることが重要ですので、当院での検査、治療内容をまとめた診療情報提供書(いわゆる紹介状)を作成し、飼い主さんに託すとともに、電話やMailで大学側担当医とコンタクトし確認の作業を行っています。
結構な手間なんです、これが。でも、良い連携のためには手を抜けません。
動物たちの寿命が延びていますので、高齢期の慢性疾患の動物をケアすること、ケアのお手伝いをすることが重要性を増しています。
その観点から、看護やリハビリの技術やスタッフ全員の意識のレベルアップにより、丁寧かつ粘り強くケアできる体制を作ることも今日のホームドクターには大切な要件です。
クドクドと、埒もないことを書き連ねてしまいました。
ペットさんが限りある生命を終えたときに、「飼い主さんと、思いを共有することが出来たら、ホームドクターとしての勤めを果たせたことになる」と思うこの頃です。
そうなれることを励みに、今日も笑顔でがんばっちゃいましょう。
みなみ台の宅地造成の際、工事による土地の保水能力低下に対応するため、遊水池(溜め池)がいくつも作られました。
これらの遊水池は仮設の性格を持ち、造成が進行し、下水路のネットワークが作られ、道路に並木が植えられ、各家々の庭に芝生や花壇、植栽が完了すると、地域全体の保水性が復活するので、遊水池はその使命を終え、段階的に埋め戻され、土地活用されるものだということです。
現在では、みなみ台公園に隣接する巨大な遊水地と宮ノ前公園近所の遊水地の2つが残るのみになりました。
みなみ台の2つの遊水池には、降雨後に一時的に増える排水側溝からの雨水だけでなく、周囲の雑木林などに源を発する湧水が常時流れ込み、流れ出ていますので、水質は良好です。
ちなみに、みなみ台周辺の、そもそもの地質を大まかに表現しますと、関東ローム層の上に山砂が厚く積もり、さらにその上に腐葉土が堆積している状態で、保水性・排水性を兼ね備えた特性があったそうです(住宅都市整備公団の資料より)。
降った雨水は、雑木林→腐葉土層→山砂層とゆっくり滲み込んで行き、やがて地下水となって山砂の層と関東ローム層の境に沿って流れ、所々の低地に泉として湧き出ていました。いわば緑のダムの機能を果たしていたのですが、この機能が、宅地造成により毀損され、遊水池が必要になるわけです。
それはともかくとして、遊水池は人工の池ですので、もともと生物は棲息していなかったはずですよね。
でも、時間が経つにつれて(造られてからはや十数年)、水中には藻が生え、水辺には葦も茂り、ミジンコやタニシ、ヤゴなどの水棲小動物や魚も棲み付き、周囲にはカエル、ヘビ、トカゲ、野ネズミ、コウモリなどが繁殖して遊水地を中心とする小宇宙・生態系を創り出しています。
いろいろな野鳥の水場であり、餌場であり、憩いの場であり、繁殖の場にさえなっています。
水難事故防止のために遊水池周囲には厳重にフェンスが張り巡らされていますので、一般人が、そこに棲む生物を間近に観察することは不可能ですが、野鳥の観察は肉眼でも可能ですし、高倍率の双眼鏡で覗くことにより小魚の魚影を確かめることも出来ます。
みなみ台公園の展望台から双眼鏡であちこち覗いているワンコ連れの夫婦者は決して怪しいものではありませんので、早とちりして110番通報するのは止めてください。
魚など水棲動物は観察できる状況にありませんので、私がこれまでに、みなみ台公園下の遊水池周辺で観察できた鳥たちを列記しますと、その種類は以下のとおり、25種類におよびます。
カルガモ、カワラヒワ、キジバト、キセキレイ、ゴイサギ、コゲラ、コジュケイ、シジュウカラ、ジョウビタキ、スズメ、セグロセキレイ、チョウゲンボウ、ツグミ、ツバメ、ニホンキジ、ドバト、トビ、ハシブトガラス、ハシボソガラス、ヒヨドリ、ホオジロ、マガモ、ムクドリ、メジロ、モズ他に、「私はこんな鳥を見たよ!」と言う情報がありましたら、教えてください。
食物連鎖の上位に位置する鳥たちがこれほど多種類生息していると言うことは、鳥たちを養い得る植物(木の実や草の種)やミミズ、昆虫、トカゲ、カエル、魚などの小動物が相当数生息していることの証です。
結構豊かな生態系が形成されていることがわかりますね。
キジが公園を闊歩しているなんて、「ここはホントに横浜市ですか?」の気分です。
でも、どうしても、気になることは、遊水池の将来についてです。
遊水地の所有権は公団から横浜市に承継されているとのことですが、市の財政状況から見て、将来、住宅用地などに転用されてしまう危惧を感じるのは私だけでしょうか?
人間の都合で、みなみ台の元々の先住者である動植物たちを追いやって、わずかに残した文字通りのオアシスの遊水池まで潰してしまうのは、あまりにも身勝手で、残酷な仕打ちだと思うのです。
病気を治療するには、病気の原因となっているものを取り除くことが本筋で、いわゆる原因療法と呼ばれます。
例えば、ワンコの心臓にフィラリアが寄生して、色々な症状が起きている場合、フィラリア虫体を取り除くこと(フィラリア駆虫剤の投与や、外科手術など)が原因療法ですね。
一方、原因が分からない場合(例えば、フィラリア寄生を証明できない)、あるいは原因は分かっているが、原因そのものを取り除くことが出来ない場合(例えば、手術に耐えられないと判断)には、症状を緩和する治療、対症療法が選択されます。
具体的には、衰弱を食い止めるために輸血や点滴を行う、呼吸や血液循環を改善する薬剤を投与する、などが行われるでしょう。
対症療法を行っているうちに、患者の体力が回復して原因療法の実施(手術など)が可能になる場合もありますし、原因が特定され、原因療法に繋がることもありますので一概に軽視するべきではありませんが、やはり姑息的・本質的でない治療です。
ところで、報道によりますと、アメリカの科学者は地球温暖化を食い止める方法として、宇宙空間にアルミ箔(チャフ)を大量にばら撒き、地球に到達する太陽光線を反射させることを提唱し、アメリカ政府は実施を検討しているとありましたが、本当のことでしょうか?
別の記事では、チャフではなく超大型の反射鏡付きの人工衛星を打ち上げ、太陽光を反射させるのだとも書かれていました。
地球に届く太陽からのエネルギーを4%反射・シャットすることが出来れば、温暖化は防げるのだそうです。
今の地球を温暖化病に蝕まれる患者に例えると、これこそ、姑息的な対症療法そのものです。
温暖化の原因は大気中のCo2やメタンガスなど温室効果ガス濃度が上昇することであり、太陽エネルギーが過剰に注がれているためではありませんからね。
姑息的なだけでなく、地球は太陽から届けられるエネルギーにより育くまれている、奇跡的に幸運な天体であることを忘れているのではないでしょうか?
雲が湧き、雨が降り、川が出来、海がつくられ、原始生物が誕生し、光合成を始め、大気中に酸素が満ち、やがて哺乳類や人類に進化するまで、お天道様のお世話にならない営みはひとつも無いですよね。
その、お天道様の恵みを活用するのではなく、遮断することを検討するなんて、正に「天をも恐れぬ所業」。
とは言うものの、この冬の異常な暖かさでも分かるように、地球が抱える温暖化病はとてつもなく進行が早く、悪性かつ重篤な疾患であると認識すべきでしょう。
ほんの数十年先には、中国大陸はわずかな沿岸部を除いて砂漠化してしまい、10億の民の多くが飢餓に瀕するとのことです。インドもアフリカもオーストラリアも同じこと。世界中で食べ物の奪い合いが起きかねないし、日本への食料輸入は当然ストップ。
日本列島も、米作に適する地域は北海道などに限局され、農業生産の大幅な減少を強いられるとともに、海水の酸性化により、漁業資源も壊滅的な影響を受ける可能性があるとのことです。
海面水位上昇により東京や大阪など海に面した都市に作られている地下鉄や地下街は水没。
何兆円もかけて作った街が水没するなんて、何ともったいないこと。それが分かっていながら今も湾岸にマンションなど作り続けているなんてブラックユーモアですか。
幸か不幸か、日本列島はアジア大陸と比較すると気候・食糧に及ぼすダメージが遅れて進行する見込みで、そのため、大陸から何万人(何十万人?何百万人?)もの難民が日本列島をめがけて押し寄せてきて、凄惨な摩擦が起こることさえ危惧されます。
悲観的な予想ばかり眼にしますが、「O2/Co2バランスシートの崩壊」と言う単純な原因で起きる温暖化を、起こした張本人、人間が修復できないはずはありません。
「排出量=一人当たりの排出量×総人口」と言う数式ですから、それぞれを半分に減らせばtotalで1/4に減らせる計算で、温暖化は完璧に解消できるのです。
人口やCo2排泄量が半減された日本社会は経済活動など、大変に事態になるでしょうが、人間の生き方を再構築し、生活水準の低下などについて甘受する覚悟が必要な時なのでしょう。
今まさに、地球は私たち人間に対し「GDPや年金が大切ですか?地球が大切ですか?」と、final answer を迫っているのです。
「年金も地球も」なんて言える時期はとうに過ぎてしまったのです。
私たちの欲望を抑制するだけでよいことなのです。
簡単ですよね、なにしろ万物の霊長と自称する人間ですから。
いささか旧聞に属しますが、多摩川で最初に発見され、スターなみに追っかけられたアゴヒゲアザラシのタマちゃんが、その後一時出没した際「こんな汚い川に・・・」と、不名誉な報道のされ方をしたのが鶴見川。
川崎の鶴見川河口からJR横浜線沿いにさかのぼり、中山駅付近まで来ると恩田川に分岐します。
恩田川の源は町田市にあるそうですが、十日市場駅の北に注ぐ支流の一つが、わが町の岩川です。
その岩川の源流は玄海田運動公園の丘陵と東京工業大学のある丘陵の谷間「岡部谷戸」付近にある湧水群です。
つまり岩川は全長わずか3kmほどの小川に過ぎないのですが、私にはとても気掛かりな存在なのです。
四半世紀前に、この地に移り住んでから、大規模宅地造成に伴う環境変化を見つづけてきました。
それは、自然破壊そのもので、美しい落葉広葉樹の雑木林とそこに棲む多くの小動物たちを根こそぎ消し去ることで、眼にするのがつらいものでした。
でも、岩川は当時の姿を殆ど変える事なく今日に至っています。
それどころか、以前と比べ、ゴミや川底のヘドロも減り、透明度が増して来ています。
特に、源流の「岡部谷戸」付近は、カワニナやサワガニが棲み、オニヤンマが乱舞し、カルガモ夫婦が子育てする、「せせらぎ」と呼ぶに相応しい風情ですよ。
良いお散歩コースですから、ワンコと散策することをお薦めします。
なお、この水は、付近の水田にも引かれて農業用水としても利用されています。
水質が保たれている理由として、下水整備により生活廃水が流入しなくなったこと、小川アメニティとして環境整備が図られていることなどが上げられますが、何よりも、地域住民が岩川を大切にしてきたことがポイントだと思います。
ただ、残念なことに上流の一部を除き、コンクリートの三方護岸で覆われてしまっている上、柵で囲われています。
住宅地なので「治水」や「子供の水難事故防止」が行政上、最優先されることは理解できますが、せめて、藻や葦などの水生植物が生えることが出来る素材(疎水性のコンクリート、溶岩ブロックなど)に置き換えることは出来ない相談なのでしょうか?
そうする事で、一層の水質浄化や魚や昆虫が増える効果が期待できると思います。
そして、こども達に「小鮒釣りし、かの川」、「水は清き故郷」の詩どおりの環境を与えてあげることも可能になりますよね。
横浜市議の○○先生ご検討よろしくね。選挙、シッカリ応援しますからね。
秋が深まって、高木のてっぺんから、モズの鳴き声が元気良く聞こえますね。
モズは、春から夏の間に、東北地方や北海道などの冷寒地で繁殖・子育てをし、秋から冬にかけては関東や西日本各地で過ごす、小規模な渡りを繰り返す、「漂鳥」だそうです。
一匹狼で孤独を好み、繁殖時期(この時は夫婦で子育て)以外は単独行動をとり、自分の縄張りを作る習性があります。
嘴から尾の先までの体長が約20cm。
スズメより一回りほど大きく、ムクドリより少し小さいサイズで、「小鳥」の範疇ですが、なかなかどうして、獰猛果敢な肉食鳥類で「小さな猛禽類」と表現されます。
モズが狙うのは、ハチ、ミツバチ、蝶・蛾など飛翔中の昆虫や、バッタ、コオロギ、クモ、ムカデなどの歩行中の節足動物、ヤゴなどの水棲昆虫、果てはスズメ、メジロなどの小鳥さえも鋭く力強い嘴でかみ殺し、切り裂いて食べます。
面構えも、太くて先が鋭く湾曲した嘴を持つことに加え、歌舞伎の「勧進帳の弁慶」の様な眼の周りの隅取りが、不良っぽいと言うかワルの雰囲気を漂わせています。
でも、体も小さく、ワルに徹しられないので、せいぜい「チョイワル」。
モズは漢字では「百舌」または「百舌鳥」と表記されますが、ほかの鳥や動物の鳴き声を真似するのが得意なので、「百舌」。
とりわけ、ウグイス、メジロシ、ジュウカラ、スズメなど小鳥の鳴き声が得意。
人間の場合、双子ちゃんのイメージは「うりふたつ」。
でも、映画「ツインズ」のようにまったく似ていない双子さんもいますよね。
そっくりさんは「一卵性」、そうでない双子は「二卵性」の双生児です。これ常識。
一卵性双生児は、ひとつの卵子が受精した後に、ポコっとふたつに分かれてしまい、それぞれが別個に成長することから生じます。もともと、ひとつの卵子・精子ですから、全く同じ遺伝子を持っています。それで、姿かたちが「うりふたつ」なのです。
二卵性双生児ができるメカニズムは、次のとおりです。
普通、1回の生理周期でひとつの卵子が排卵されますが、稀には、複数の卵子が同時に排卵されることもあります。それらの卵子が、偶然、それぞれ別の精子と結合すると、二卵性双生児の誕生となるのです。従って、遺伝子の共通性は、普通の兄弟と同じであり、容姿や性格の似方も普通の兄弟の場合とかわりません。
犬では、1回の性周期で通常10個程度の卵子が子宮内に下りて来ます。その内の2個が精子と結合すれば2匹の子犬が、7個の卵子が精子と結合すれば7匹の子犬が生まれるわけです。人間の二卵性双生児と同じ理屈ですね。
それでは、お母さんのお腹の中で、子犬たちや人間の双子ちゃんはどのように存在し、発育するのでしょうか?
まず、人間と犬の子宮の形態を比べてみましょう。
人間は「一度のお産で一人の子供」が普通ですので、子宮は一人用に出来ていて、左の図の様な形をしています。
犬は「一度のお産で数匹の子犬」ですので、右図の様に「左右に長く大きな子宮角」があるのが特長で、子宮体部にも左右の子宮角部にも着床できます。
次に、子宮の中での存在の仕方です。
母胎(子宮)内では、赤ちゃんは胎盤でお母さんとつながり、お臍の血管から栄養や酸素の補給を受けて発育します。また、赤ちゃんは卵膜(羊膜)と呼ばれる袋に包まれ、羊水の中に浮かんでいます。ここまでは犬も人間も双子も皆同じです。
★犬の場合や二卵性双生児の場合は、もともとの受精卵が別であるため、胎盤はそれぞれが1つずつ持っています。二繊毛膜(胎盤)二羊膜と言います。
★人間の一卵性双生児の場合、受精卵が分離した時期によって違ってきます。
☆受精後1~3日以内に分離するとそれぞれに胎盤を持った(二繊毛膜二羊膜)に、
☆受精後4~7日以内に分離すると胎盤は一つで赤ちゃんの入っている部屋は別に(一繊毛膜二羊膜)
☆受精後8日以降に分離すると胎盤は一つで赤ちゃんの入ってる部屋も一つの(一繊毛膜一羊膜)になります。
ご不明な点がありましたら、何なりとご質問ください。
例年、秋が深まる今頃、みなみ台公園の木立周辺に出没していたチョウゲンボウ。
今年は姿を見せなかったので、「開発が進んでしまったこのあたりは、もうチョウゲンボウが棲息できる環境ではないのか」と気落ちしていましたが・・・。颯爽とした姿を見せてくれました。
10月31日の水曜日午前6時。
メガネのパリミキの上空、約10mでした。
細身で、いかり肩で、先細りの尾を持つ独特のスタイル。
ワシ・タカの仲間にしてはせわしない羽ばたき。
加えて、お得意のホバリング。
見まごう事ない、チョウゲンボウです。残念ながら、カメラを持っていませんでしたので、写真をお目にかける事は出来ませんが、ご報告致します。チョウゲンボウはタカ目ハヤブサ科の猛禽類。
アフリカやヨーロッパ、アジアに広く分布しています。
日本では春から夏の間に、山間などの冷寒地で繁殖・子育てをし、秋から冬にかけては関東や西日本の平地で過ごすライフスタイル。
この生き方(小規模な渡りを繰り返す)は「漂鳥」と呼ばれるそうです。大きさはハトを一回り大きくしたくらい。
猛禽類にしては優しげな眼差しで、意外とかわいい顔をしています。河川敷や水田、畑などの開けた場所と雑木林が混在する環境を好み、ネズミや小鳥を捕らえて食べるそうです。
確かにみなみ台周辺には恩田川の川辺、田畑、クヌギなどの雑木林も残っていますので、生息する最低限の条件は満たしているのでしょう。漢字は「長元坊」。語源は不詳。
北関東の方言に、トンボを意味する「ざんげんぼう」があり、「トンボの飛び方に似ている鳥」⇒「鳥ザンゲンボウ」⇒「チョウゲンボウ」と変化したのではないかとの説があるそうです。
ホバリングからツツッと平行飛行に移る、チョウゲンボウの飛び方は、確かにトンボのそれを彷彿とさせるものがありますよね。話題をモズに変えましょう。
「秋深し」と言う訳で、高木のてっぺんから、モズの鳴き声が元気良く聞こえるこの頃です。
チョウゲンボウと比べると、グッと地味な存在のモズですが、ナカナカドウシテ侮れません。一匹狼で孤独を好み、繁殖時期(この時だけは夫婦で暮らします)以外は単独行動をとり、自分の縄張りを作る習性があります。ちなみにモズもチョウゲンボウ同様「漂鳥」です。この時期に聞かれる、「キキキ、キチキチ、キーキー」の鳴き声は縄張り宣言。
生きていくのに必要な食糧を確保できるテレトリーを主張し、他のモズに「入ってくるなよ!!」と警告を発しているのです。モズは嘴から尾の先までの体長が約20cm。
スズメより一回りほど大きいサイズで、「小鳥」の範疇ですが、獰猛果敢な肉食鳥類で「小さな猛禽類」と表現されます。モズが捕食するのは、ハチ、ミツバチ、蝶・蛾など飛翔中の昆虫、バッタ、カマキリ、各種の甲虫、クモ類、ムカデ、トカゲなど地面にいる各種動物、ヤゴやカエルなど水辺の動物、果てはスズメやカワラヒワなどの小鳥まで、悪食と言いますか、許容範囲が広いと言いますか、ストイックとは無縁の食性を備えています。モズは漢字では「百舌」または「百舌鳥」と表記されますが、ほかの鳥や動物の鳴き声を真似するのが得意なので、「百舌」。とりわけ、ウグイス、メジロシ、ジュウカラ、スズメ、カワラヒワなど小鳥の鳴き声が得意。
スズメを襲う時には、鳴き声で安心させておいて、不意を突く作戦だそうです。やりますね。モズには捕らえた獲物を木の枝先などに突き刺しておく習性があります。
名高い「モズの早贄(はやにえ)」ですよね。
後で食べることもあるので、冬の食料確保が目的と考えられていますが、忘れ去られ、春までそのまま哀れな姿を晒すこともあります。
一説では、体が小さく、一気に食べることが出来ないので、獲物を枝などに刺して固定し、引きちぎって食べるが、途中で満腹になると残りをそのままにしてしまったのが早贄である、というものもあります。モズの面構えは、太くて先が鋭く湾曲した嘴を持つことに加え、歌舞伎の「勧進帳の弁慶」の様な眼の周りの隅取りが、不良っぽいと言うかワルの雰囲気を漂わせています。でも、体も小さく、ワルに徹しられないので、せいぜい「チョイワル」。チョウゲンボウやモズなど、いわゆる猛禽類は生態系の頂点に位置する生物です。
彼らが棲息できるみなみ台は、多様な生物が相互に影響しあって生きて行ける、豊かな自然が残っていることになります。この環境を、後々の世代まで保ってあげたいものですよね。